
日本酒を飲んで〆に蕎麦、そこでおすすめするのが「天ぬき御膳」です。
天ぬきとは、天ぷらそばのそば抜きのことで、温かいつゆに入った天ぷらでゆっくりと日本酒を飲み、〆にもり蕎麦を残ったつゆにつけて食べるのです。
蕎麦屋文化と最高の日本酒が生み出す、なか川で最も『感動して頂ける』食べ方です。


足利学校とばんな寺(大日様)を結ぶ、いしだたみの参道のちょうど中間地点に位置するめん割烹なか川さんへ伺いました。めん割烹なか川さんでは、美味しい日本酒を味わいながら江戸時代の粋な文化『そば前』が楽しめます。 その『そば前』文化を足利出身で足利市観光大使第1号の三遊亭歌橘師匠がご紹介します。


このページを御覧の皆々様、こんにちわ。
今日は我が心の故郷、足利市に在る『めん割烹なか川』さんにお邪魔しました。
いやあ、こちらの若旦那(四代目)と普段、呑んだ暮れる仲だけに改めて取材という形は恥ずかしいなァ!
それでは早速、なか川さんを御案内ィィィィィ!

若: イヨッ!歌橘師匠。
歌: どうも馬鹿、否や、若旦那!
若: こらこら、怒るよ!
歌: ごめんなさい。
若: 許さない!

歌: そこをなんとか、蕎麦屋だけに
「手打ち」にして下さい。
若: つまらない洒落を言ってないで、
ちゃんと当店を紹介しなさい!


暖簾を潜ると店中、至る所に「相田みつを」の書が目に付きます。
こちらの大女将が若かし頃の相田みつを先生を大変可愛がった縁で頻繁に足を運んでいたとの事。
大女将は先見の明があったのかしら?ものすごい先行投資です。
風情ある数々の相田みつを作品と、江戸情緒漂う中庭を眺めながら蕎麦と酒に舌鼓を打つ。
これぞ正に乙なもの。
わたしは大の蕎麦好きだけど、実を言うと長い間、蕎麦コンプレックスに悩まされました。
それは何故?
ちゃきちゃきの江戸っ子の師匠(三代目三遊亭圓歌)が蕎麦の食べ方にうるさいのなんの!
落語界の符牒で、蕎麦を「縄」と言います。蕎麦を啜るの「啜る」(すする)は「手繰る」(たぐる)。
「小腹が減ったから縄を手繰ろう」という会話を耳にしたら、それは落語家と察して下さい。
江戸っ子の美学の塊の師匠は野暮と下衆を忌み嫌い、蕎麦の食べ方は落語以上に厳しく、蕎麦が巧く食べられない為に落語家を廃業した・・・・・・そういう輩が何人か居たり、居なかったり!?


蕎麦屋と酒が付き物なのは今を遡る事、江戸時代。
現在は開店前の仕込が当然だが、昔は注文を受けてから麺を打つのが日常茶飯事也。
当時の待ち時間で約1刻(2時間ぐらい)。
歌: そりゃあ、誰だって退屈しやすぜ!
若: 急に江戸弁になったぞ!?
歌: 蕎麦を待つ間、酒で繋ぐ、俗に云う『そば前』は、
こうして生まれたのでありんす。
若: 今度は花魁言葉かよ!?
長々と話したら咽喉が渇いたので、そろそろ、一献頂戴しやせう。
なか川さんが他所様の店と違うのは酒と遊びを心から愛する若旦那(四代目)が日本全国を渡り歩き、その土地土地の銘酒のうんちくを語れることだろう。
日本酒専用の冷蔵室まで有るというのだから頭が下がります。
大の酒好きの手前は若旦那推奨の『黒龍』を、ちょいと一杯。
一杯が二杯、二杯が三杯、気が付けば一升が空きました。
いやはや、酒と女は二号まで・・・・・・。





酒の肴は、もちろん『天ぬき』。箸で突きながら、ちびりちびりと至福のひととき。
この『天ぬき御膳』に付く、ニシンの甘露煮は相田みつを先生の大好物だったそうで、先生と同じ場所で同じものを食べられる感覚が味わえるのも、なか川さんだけ!


気持ち良く酔いが回ると、いよいよ真打登場!「足利名物そば」
渡良瀬川と両毛山系の伏流水、日本一のそば粉(金砂郷の一番粉)を使って仕上がった一級品。

仕上げは、デザートのこだわりそば粉のもちもち「そばだんご」。ゴマあんとそば粉の相性が抜群です!
この珠玉の品の数々を是非共、直接御堪能下さい!!
最後に謎掛けで締めさせていただきます。
